力の掛かる方向性を認識し、利用しましょう

相手の力を利用するのは合気道の鉄則ですが…。

〝合気道は力を使わない〟なんて言うものの…。

〝強い打ち込みを、まともに受け止めたりせず、攻撃力を逸らし、流すことによって勢いを利用し、相手の態勢を崩す〟…と、言葉では説明できますが、実際には、そう簡単には、いきません。

正面打ち、横面打ち、突き…鋭く炸裂する攻撃の勢いを削ぐことは、なかなかできないものです。

そこで、まずは、相手が打ち込んで来る情況設定をさておき、ゆっくりやる…いわば制止状態に近い静かな稽古に取り組みましょう。

ここにこそ〝練り稽古〟が大切な所以があるのです。

具体的には〝両手取り天地投げ〟を例にとりましょう。自分の両手を相手に確かり持って貰います。相手の「力の方向」は上から下に掛かっているのですから、これを持ち上げようとしても容易には、かないません。では?どうすれば良いのか?

相手を崩す為には掛かっている強い力に逆らうのではなく、力の働く方向へ更に力を誘導すれば良いのです。つまり「天地投げ」ではなく「地天投げ」と云う訳です。下の方向に相手を崩す事ができれば、もう一方の手を上げやすくなります。

時々「相手に手を取られてしまってからでは遅すぎる」等と言う人が居りますが、そんな「せっかち屋さん」には「合気」の妙味を会得できません。

慌てず、急がず、泰然自若。文字通り〝味得、心修〟致しましょう。急がば回れ…です。

派手な動きより地道な稽古。これを忘れない様に、ご精進ください。
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